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■ 本研究の趣旨 ■ |
中東都市に内包されるこの「部族性」をキーワードに、その歴史的経緯を、
■先史時代における定住社会・部族社会の形成過程にまで遡り、
■部族社会と都市との併存、都市への吸収、あるいは都市からの離反の過程として、
具体的に解明することが本研究の目的です。
つまり、遊牧部族社会と常に併存し、リンクしてきた中東都市社会固有の歴史的特性を解明すること。これが、本研究の目的なのです。
この課題を追求するため、まず、ビシュリ山系で大型の都市または集落遺跡を核遺跡として選択し、すべての計画研究班の合同による大規模で定点的な調査・研究を実施します。
このことを通して、この地域の通時的な文化変遷を把握します。
これと平行して周辺地域の踏査をおこない、核遺跡に関連する遺跡すべてを対象とする、小規模かつ短期間の調査・研究を実施します。
そして、この両者を比較することによって、例えば、周辺遊牧社会が都市社会に編入されていく過程を、あるいは逆に、都市社会から部族集団が離脱する過程を、さらにはまた、両者が併存する様相を、具体的に解明します。
以上が、
本プロジェクトの基本的な研究方法です。
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無論、その背後にある多くの問題も総合的に検討しなければなりません。
例えば、自然環境の問題、粘土板文書などに記述された民族の移動とその際に生じた様々な軋轢・融和などの問題、あるいは、建築様式、食生活、美術といった文化史的変遷、さらには、人間形質の変遷といった形質人類学的問題などです。
問題は、これら諸領域の調査研究を有機的に統合するコアの部分ですが、それが、先ほど述べました「部族性」というキーワードです。 |
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